小中学生の腰痛に注意!~腰椎分離症・分離すべり症~

こんにちは。吉田です。

今日は10代の学生さんに起こりやすい腰痛、腰椎分離症、分離すべり症について投稿します!

<症例1>

中学2年の男子学生。野球のクラブチームにて週4回練習。バッティング練習やダッシュをすると腰のベルトライン辺りに痛みを感じるとのことで来院。

当院での施術と平行しながら、いち早く整形外科に紹介し、レントゲンとMRIの検査をしてもらいました。

結果は腰椎の疲労骨折。コルセット固定による安静と筋肉の緊張を和らげる施術により治癒しました。

 

あれ?分離症の話じゃなかったの??

じつは腰椎の疲労骨折とは分離症が完成する前段階の状態なのです。ということで腰椎の図を見ながら、もっとも一般的な状態を解説します。

どこがどうなってるの?

腰椎は5つの骨からなっており、上から第1腰椎、第2、第3…と続き仙骨という骨盤の骨の上に乗っかっています。中でも一番分離症を起こしやすい部分は第5腰椎(一番下の腰椎)で土台の仙骨と接している場所になります。

腰椎のどこがどうなるのか。まず腰椎の形を観てみましょう。腰椎は前から見るとだるま落としのように積み上がっていますが、後ろから見ると椎体といういわゆる積み木の部分以外に、背中部分の上下に手足があって下位の骨の上の手と上位の骨の下の足が接して関節になっています。

その上下の手足をつないでいる胴体部分、ここに無理な動きにが何度も加わることによって折れてしまうというわけです。

 

よくある無理な動きの例としては、腰の捻り(回旋)と反らし(後屈)のダブルパンチが考えられます。関節の向きを模型で見ればよく分かりますが、腰の関節、じつは皆さんが思っているほど捻れるように出来ていません。その分、腰椎の上にある胸椎や股関節が動くことであたかも腰を捻っているように見えるのです。

放っといたらどうなっちゃうの?

というわけで、何度も無理な力をうけた成長過程の腰椎が、もう無理~っと悲鳴を上げて、もろくなり折れてしまう(腰椎疲労骨折)のですが、これ、早期発見、早期対処がすごく大事になってきます。起こりやすい年代が10代ということもあって、折れてしまったことに周囲の大人が気がつくのが遅れてしまいがち。痛いけどただの腰痛だと思って我慢してしまったり、スポーツを一所懸命頑張っている子は試合に出たいという思いが強く黙っていることがあります。

骨は折れてからすぐに安静固定(←これすごく大事。)しますとよほどの事がない限り、くっつき元に戻ります。が、この骨の接着剤が出ている時間は限られているのです。タイミングを逃して放置してしまうと、くっつかないまま骨自身がこれでいいのかとあきらめてしまいます。このあきらめてしまった状態こそが腰椎分離症です。

つまり、腰椎分離症が完成してしてしまうと、もう形として骨がつながることはありませんので、痛みを緩和させたり出にくくすることを目的に施術をするということになります。もちろん分離症を持ちながら生活している人はたくさんいらっしゃいますから、なってしまったからといって絶望することはありませんが、今後大人になっても分離症と上手につきあっていく必要が出てきます。なぜかというと、分離症は進行した場合、分離すべり症という状態になり、腰椎が前にすべって神経の入っている管を圧迫してしまうのです。こうなりますと足にしびれや動きにくさが出てきますので注意が必要です。

どうしたらいの?

疲労骨折でも、分離症、分離すべり症が完成している場合でも、腰のまわりを安定させるため、外からの固定(コルセット)の力を借りたり、内からの筋肉の支えを作ったります。いわゆる体幹トレーニングというやつです。そこをベースに起こってしまった筋肉の過緊張をやわらげ、時には神経の緊張を和らげ、スポーツや日常生活の動きをスムーズに出来るよう導きます。電気療法、マッサージ療法、はり治療、ASC療法、動作指導などなど。

骨をくっつけることも重要ですが、分離症が完成してしまった腰の状態でも、痛みが出にくいようにしたり、痛みを和らげながら楽しく日常生活を送ることはとても大事なことです。一心不乱に勉強する、一所懸命にスポーツに打ち込む、気持ちよく仕事をする、気兼ねなく旅行に行く、趣味に没頭する。こんな風にQOL(生活の質)を上げる手助けが出来るよう、全力でサポートしますので是非相談して下さい\(^^)/

 

 

とはいえ、こうなってしまう前の段階で、「安静固定を判断しスポーツや日常生活の負荷から腰を守ってあげること」がなにより重要なのは間違いありません。

小学生、中学生、高校生の皆さん腰の調子がおかしいな~と思ったら、我慢せずにお家や周りの人に伝えて早めに受診してくださいね!!

 

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